ほんの少しの知識でワンランク上のビジネス英会話

イディオム(アメリカ英語)が使えることで、ぐっとネイティブとのコミュニケーションが自然となり、ビジネスにおける意思疎通がスムーズになります!イディオムの紹介を中心にそのコツを伝授します。

Down-to-earth

1. Down-to-earth

Down-to-earthとはその名の通り、「地に足着いた」という意味です。英語だと、"To be practical and have lots of common sense."と説明されます。もっとフランクに言うと、「まともな」「ちゃんとしている」「しっかりしている」という表現に近いと思います。

 

こちらは実はビジネスシーンと言うよりは、恋愛などDatingシーンで、相手の特徴を表す形容詞としてよく使われます。

 

「彼はどんな人なの?」と聞かれたときに、"He is down-to-earth!"なんて言ったりします。あとは、自分の性格を表すときに使ってもOKです。

 

ポイントは、良い意味で使われるということです!

 

2. 由来と使えるシチュエーション

この慣用句の起源ははっきりしていないようです。比喩的な意味で"Down-to-earth"という言葉を印刷物で見るようになったのは、20世紀初頭だそうです。その時代には、ある品物の値段がいかに「リーズナブルで手頃」であるかを表現するためによく使われていたとのことです。例えば、1922年のNewark Advocate紙には、婦人服について下記のような記載がありました。

 

「ここでは、価値のある衣服を4つのグループに分け、"Down-to-earth"(手頃な)価格で提供している。」

 

これ以外にも、1935年のSandusky Star Journal紙に同様な表現が使われた例があります。

 

はっきりとした由来はないものの、このフレーズは少なくとも100年近く前から使われていたと考えられています。

 

"Down-to-erath"は現在は「手頃な」というよりは、ある人の特徴(しっかりした、落ち着いた)を指す表現として使われます。

 

3. 使えるフレーズ

A: "I am actually looking for a mentor for my co-worker."

B: "I have one suggestion for you."

A: "Great."

B: "How about Katie? I am impresed with how down-to-earth she is. She is always so sensible and I like going to her for advice." 

A: "That's good to know. Let me reach out to her."

 

A: 「実は同僚のためにメンターを探しているんだ。」

B: 「それならひとつ提案があるよ。」

A: 「ありがとう。」

B: 「ケイティはどうかな?彼女の地に足着いた様子には感心するよ。常に良識があって、私自身も彼女にアドバイスを請うのが好きなんだ。」

A: 「それはいいことを聞いた。ケイティに聞いてみるよ。」

 

"Down-to-earth"という表現、なんとなくイメージつきましたでしょうか?

自分の性格を指す言葉として使っても良いので、たとえば自己紹介のときに"I am down-to-earth"と言うのもOKです。

 

ぜひ使ってみてくださいね!

 

 

 

 

 

Crunch time

1. Crunch time

Crunch time(クランチタイムと呼びます)とは危機や困難で切迫した状況、試練の時、などという意味です。英語ですと、A time when things need to finally get doneと訳されます。

Crunchには色んな意味がありますが、その一つに危機的状況やピンチ、などという意味があります。

"Crunch time"という表現は米国で働いている時には本当によく使いました!

 

2. 由来と使えるシチュエーション

Crunch(クランチ)という言葉は、歯ごたえのあるものをかじったときに出る、押しつぶされるような音や、パチパチと言ううるさい音として、1800年代初頭から使われていました。一方、Crunch time(クランチタイム)という言葉は、決定的な行動が必要とされる重要な瞬間や時期を指して使われることが多く、20世紀にイギリスのウィンストン・チャーチル首相が外交問題の文脈で広めたものだそうです。一方、Time crunch (タイムクランチ)という表現がありますが、こちらは、何かを完成させなければならないというプレッシャーのかかる時期と同じ意味を持つCrunch timeから発展したものと考えられています。

 

ウィンストン・チャーチル首相がしかめっ面をして"Crunch time"という言葉を使っている姿、なんだか容易に想像できますよね。

 

当時の政治の場面では、切羽詰まったような状況に立たされることも多かったと思われます。

3. 使えるフレーズ

A: "Hi, what have you been up to?"

B: "It's been crazy..."

A: "Is it a busy time?"

B: "Yes. It is crunch time at work. We have got lots of deadlines coming up and there's lots of work to do." 

A: "Take it easy. Don't work too hard!"

 

A: 「よお、調子はどう?」

B: 「本当に大変だよ...」

A: 「忙しい時期なのかな?」

B: 「そうなんだよ。仕事で切羽詰まっていて。色んな締め切りが迫っていてやることが山積みなんだ。」

A: 「無理しないで。働きすぎないようにね。」

 

仕事で忙しくて締め切りに追われているときや、プロジェクトの大詰めのときなどは、"It is crunch time."という表現が使えます。

 

そうすると、聞き手には本当に大変な時期であることが伝わります。

 

便利な表現なので是非使ってみてくださいね! 

 

 

 

Driving me nuts

1. Driving me nuts

Driving me nutsとは、「イライラする」や「気が狂いそうになる」という意味です。英語だと、Something is making me extremely annoyed and frustrated, or perhaps angryと説明されます。

 

Driving me 〇〇 = 私を〇〇させる、私を〇〇にする

ということなので、Driving me nutsとは、直訳すると、私をNutsにさせる or 私をNutsにする、という意味になります。

 

映画やドラマでも"It drives me nuts!"なんて表現を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

2. 由来と使えるシチュエーション

1800年代半ばから後半にかけて、"nuts "という単語は人の頭を意味するスラングだったようです。それから間もなく、この単語は頭の働きが正常でない人の意味も持つようになったとされています。例えば、奇妙な行動やおかしな行動をしている人は、"nuts "や "off their nut"と表現されました。

一番古くにDriving me nutsが使われたのは、1921年に印刷されたインディアナ・デイリー・タイムズ紙であると言われています。「女性は男性よりも車の運転に注意深い」という小見出しの下で、男女のドライバーの違いについての意見が述べられており、ある警察官が女性ドライバーについて質問されたとき、新聞にはこう書かれました。

『「彼は手を上げて後ずさりした。気が狂いそうになるよ!」と彼は唸った。』

 

つまり、女性の車の運転は男性に比べて注意深すぎて、男性からするとイライラするよ!ということが言いたかったのだと推測されます。

 

このDriving me nutsというイディオムは、感情的な表現なので、怒っているときやイライラしている中でも特に強い感情を表したいときに使います。

 

ですので、Driving me nutsと口にする時は単調な口調ではなく、感情を込めて話すことがポイントです。

 

3. 使えるフレーズ

A: "Hey, how are you?"

B: "I am sleep deprived recently.."

A: "Oh no. That is too bad."

B: "Yes. The noise from my neighbor is so loud every night that it is driving me nuts!" 

A: "Take it easy. You will find a solution."

 

A: 「よお、元気?」

B: 「最近寝不足でさ..」

A: 「えぇ、それは辛いね。」

B: 「そうなんだよ。毎晩近所の音がうるさくて気が狂いそうだよ!」

A: 「気楽にいこう。解決策がみつかるよ。」

 

Driving me nutsは仕事で使うこともあります。

例えば、お客さんからのクレーム処理が続いた時など、"It is driving me nuts!"と言ってイライラした気持ちを表現したりすることがあります。

感情のこもった表現なので、ビジネスの場でも、カジュアルなシーンで使うことが多いと思って頂いて良いと思います。

あらたまった会議の場でも、気心知れた仲間内では使っても問題ないですが、あまりよく知らない相手に対してはちょっと注意して使うことをおすすめします。

 

 

 

Comparing apples to oranges

1. Comparing apples to oranges

"Comparing apples to oranges"とは、比較できないものを比べようとする、すなわち、「(両者はまったく違うので)比べようがない」という意味になります。

 

直訳すると、りんごをオレンジと比較する、ですから、当然まったく別のもの2つを比べている、ということになります。まったく別のものを比較している訳ですから、「比べようがない」という意味になります。

 

逆に"Apples to apples"という表現もあるのですが、こちらは、比較する際の「同一条件で」「前提を揃えて」を意味します。

 

英語では、Comparing two eitirely different things that really should not, or cannot, be compared.と説明されます。

 

「りんごとオレンジを比べる」の直訳と覚えると記憶し易いですよね。

 

2. 由来とどんなシチュエーションで使えるか

1670年のJohn Rayのことわざ集で、"apples to oranges "という慣用句が "apples to oysters "として初めて知られたと言われています。りんごと比較できないものとして、オレンジに代わって牡蠣に言及したようです。

さらに、スペイン語では "apples to pears"、フランス語では "apples to oranges "として使われています。りんごとオレンジという慣用句は、1889年頃から使われてると言われています。

 

この「比べようがない」という表現は、ビジネスシーンでよく使われます。たとえば、自社製品を他社製品と比べるときに、ある社員が「自分達の商品は〇〇社に比べて△△という性質がある」と言ったとします。すると、別の社員が「〇〇社の商品は自社商品とはまったく異なるターゲットを対象にしているので、比べようがない」と言ったりするときに"Comparing apples to oranges"という表現を使います。

 

3. 使えるフレーズ

 

A: "It's been a while since we last did shopping together!"

B: "Indeed! Let me try on these pants in a fitting room."

A: "Sure. Take your time."

(B tried on a pair of pants in the fitting room)

B: "So which pair of pants you like the best? This one or the one I tried on in another store?"

A: "They are so different that it would be like comparing apples to oranges!"

 

A: 「久しぶりに一緒にショッピングするね!」

B: 「本当だね!ちょっとこのパンツを試着室で試してみるね。」

A: 「もちろん。ゆっくりね。」

(Bが試着室でパンツを試着)

B: 「どちらのパンツが好き?今履いているのと、さっきの店で試着したのと。」

A: 「全然違うから比べようがないよ!」

 

こんな感じで比べようがないものを指すときに使う表現です。

ビジネスシーンで使われることも多いので是非覚えてみてくださいね!

 

 

 

 

 

Call it a day

1. Call it a day

Call it a dayとは、その日の仕事を終わりにする、切り上げる、という意味があります。英語だと、Decide to stop working on something for the time beingと説明されます。直訳すると、

 

Call it 〇〇= それを〇〇と呼ぶ

A day = 一日

 

ですので、「それを一日と呼ぶ」となりますが、これがその日の仕事を終わりにする、や仕事を切り上げる、という意味に繋がります。

 

2. 由来と使えるシチュエーション

この慣用句は、もともと1838年に記録された「半日と呼ぶ」 = "call it half a day"という言葉から始まったようです。当時は、勤務が終わる前に帰宅する従業員については、出勤簿に「半日」と記載されていたため、そのような従業員を指す言葉として使われていました。それ以来、従業員が終日オフィスで働かないときは、上司が「半日」と呼び、半日の日数に応じて給与が控除されるようになったようです。その後、この言葉は、その日の仕事が完全に終わったことを意味する「call it a day」に変化しました。"Call it a day"は1919年に初めて使われたことが記録されています。以後、世界中の多くの人々や企業で使われるようになり、そこから慣用句として使われるようになりました。

 

「半日と呼ぶ」が「終日と呼ぶ」に変わり、これが「一日の仕事を終える」という意味に繋がったということですね。

 

これは例えば、上司が部下に、先輩が後輩に、「今日の仕事はこれで終わりにしよう」と言うときなどによく使われます。

 

日本だと、「お疲れ様!」と言うのに近いですが、"Call it a day"のほうがより直接的に「仕事を切り上げよう」という意味を包含しています。

 

3. 使えるフレーズ

A: "Hi Bob. Do you have a second now?"

B: "Sure. What's up?"

A: "I just wanted to give you a quick update on our project. We had a meeting with our client today to go over every single item on a to-do list."

B: "That is fantastic. I think we have accomplished as much as we can for today. Let's call it a day and continue tomorrow."

A: "Sure, thanks."

 

A: 「ボブさん、今少し時間ありますか?」

B: 「もちろん。どうしましたか?」

A: 「プロジェクトの進捗について少しアップデートをしたいと思ってまして。今日クライアントとミーティングをして、To-doリストにあるすべての項目について話し合いました。」

B: 「それは素晴らしいね。今日出来る限りのことは達成したようだね。今日のところはこれで切り上げてまた明日続きをやろう。」

A: 「はい、ありがとうございます。」

 

こんな感じで一日の仕事終わりに、チームメイトや後輩に、「今日はもう切り上げよう」と声を掛けるときに、"Call it a day"を使います。とくに、"Let's call it a day"というフレーズで使うことが多いので、これを覚えておくと便利です!

 

ぜひ使ってみてくださいね。

 

 

 

Break the news

1. Break the news

Break the newsは、ニュース(情報)を知らせる、打ち明ける、公表する、などの意味があります。英語ですと、To tell someone (or a group of people) news about somethingというように説明されます。

 

Break = 壊す

The news = ニュース

 

直訳すると、ニュースを壊す、ですが、これが「ニュース(情報)を知らせる、打ち明ける」という意味に繋がります。

 

2. 由来とどんなシチュエーションで使えるか

この言葉は中世の時代に遡ります。封印された羊皮紙にメッセージを入れて持ってきた使者は、"Break the matter"、つまり封印を解いてニュースを伝えるように言われていました。また、1906年AP通信は、他社よりも重要な情報を持っていることを示す際に、「Flash = 速報」や「Newsflash = ニュースフラッシュ」という言葉を考え出しました。

"Breaking news"という用語は、テレビで定期的に放送されている番組を中断して、発生したばかりの大事件を放映していることを示していましたし、また、特定のニュースチャンネルがニュースの最初の情報源であることも示していました。新聞でも、印刷の直前に緊急性の高いニュースが起こった場合、新聞は一面のレイアウトを崩して("break the story")、新しい見出しとその記事をはめ込み、"速報 "を掲載する必要がありました。

 

今でも海外のニュース番組などを見ていると、"Breaking news"という表示が出て、緊急性のある最新のニュースが流れることがありますよね。これが、Break the news = ニュース(情報)を知らせる、というイディオムのもととなったようです。

 

Breaking news(日本だと速報、と言うのが近いと思います)を覚えておけば、Break the news = ニュースを知らせる、という表現も記憶に残りやすいですね。

 

Break the newsは色んなシチュエーションで使えます。ビジネスでもプライベートでも、誰かにビッグニュースを伝える時などに用います。

 

例えば、婚約したことを職場の同僚や上司に伝える時などに"I have to break the news! I got engaged!" = 「ニュースがあるんです!婚約しました!」などと言うことが出来ます。

 

3. 使えるフレーズ

A: "It seems our division finally re-filed a tax return of our subsidiary."

B: "Oh, I thought it was done a while ago."

A: "No, the tax return was re-filed just a day ago. It seems it took Emily a while to get up the courage to break the news about the mistake she made in the tax return she filed two months ago."

B: "Understandable. Although it may have been better to deal with it earlier."

A: "Totally."

 

A: 「ようやく私達の部署が子会社の税務申告書を再提出したようなんだ。」

B: 「えぇ、とっくに終わってるかと思ってたよ。」

A: 「それが違うんだ。昨日再提出したばかりだよ。どうやらエミリーが2か月前に提出した税務申告書に関する自らの間違いを打ち明けるのにちょっと時間がかかったようなんだ。」

B: 「分からなくもないね。ただ、早めにやったほうが良かったけどね。」

A: 「その通り。」

 

どんな内容でも良いのですが、ちょっとした出来事(嬉しいことでも悲しいことでも)を他人に打ち明けるときに使います。もちろん「ちょっとした出来事」でなく、ビッグな出来事(例えば、結婚、昇格、など)でも"Break the news"というイディオムは使えます。

 

ぜひ使ってみてくださいね!

 

 

 

 

 

Back to square one

1. Back to square one

Back to square oneとは振り出しに戻る、や最初からやり直し、という意味です。

英語ですと、Back to the beginning of an endeavorと説明されます。

Back to = 〇〇に戻る

Square one = 振り出し

ですので、Back to square oneで振り出しに戻る、という意味になります。

 

2. 由来とどんなシチュエーションで使えるか

このフレーズは、サッカーがラジオでよく聞かれていた時代に由来すると言われています。ラジオのリスナーがそのシーンをイメージしやすいように、サッカーのフィールドは架空の正方形のグリッドで区切られていたようです。ラジオでは、グリッドの番号を使ってプレーのポジションの説明がなされていました。第一スクエアというのは、ホームチームのゴールのすぐそばのグリッドを指していました。そのため、ボールが、ホームチームによるゴールキックのためにプレーから外れたり、誰かがつまらないパスバックをしたりするたびに、解説者は 「第一スクエアに戻る」と唸っていたことから、「振り出しに戻る」という表現をBack to square oneと言うようになったようです。

 

3. 使えるフレーズ

A: "Hey, how are you doing?"

B: "Well, things have been really tough these days."

A: "That doesn't sound good. What happened to you?"

B: "Everything has gone wrong wiht the project! We have to go back to square one."

A: "Don't get too stressed out. Things will work out for you!"

 

A: 「調子はどう?」

B: 「うーん。最近大変なんだよ。」

A: 「大変そうだね。何があったの?」

B: 「プロジェクトのすべてが上手くいかなくて、振り出しに戻らないといけないんだ。」

A: 「ストレスを溜めすぎないようにね。きっと大丈夫さ。」

 

Back to square oneは、やっていた仕事が振り出しに戻る、議論が振り出しに戻る、検討していた内容が振り出しに戻る、など、ビジネスで使える場面が多々あります。"Start all over again"という表現も同じく最初からやり直す、という意味がありますが、"Back to square one"が使えるとよりスマートに聞こえますね。

 

例では、"We have to go back to square one"を使いましたが、"We are back to square one"という言い方もできます。

 

ぜひ使ってみてくださいね!